2009年08月21日

曲がらないトラクション

 もっともスタンダードなトラクションのかけ方は、バイクがリーンして旋回状態に落ち着いてからスロットルを開けるパターンです。
 つまり一般的なコーナリングで、出口に向かってコーナーを立ち上がるときの加速が典型的な“トラクションのかかった状態”ということです。
 この加速で旋回が安定するメリットを積極的に活用すれば、バイクまかせではなく、狙ったラインを確実にトレースできるようになります。

 ただし、やみくもにスロットルさえ開けてトラクションをかければ走りが安定するというものではありません。
 リーンの途中でスロットルを開けると、バイクは思い通りに曲がらず、たいていは車体が起き気味になって大回りを始めてしまいます。
 そんなことをするはずがないと思うかもしれませんが、ヘアピンなどの進入で減速しすぎたと感じたときにスロットルを開けてしまい……というパターンは案外多いものです。

 これだと後輪のバンク角が深まっていく途中なので旋回方向が定まっていませんし、コーナリングフォースの荷重でバランスする前なので、動きやすい方向である“車体が起き上がろうとする動き”になってしまいます。
 トラクションはバンク角の深い浅いにかかわらず、旋回が安定してからかけるということを忘れないでください。

 旋回状態に落ち着いたからといってライダーの着座位置がバイクの前に行きすぎていると、うまく曲がることはできません。
 ここでキーワードになるのが、後輪荷重。
 ライダーの重心が前にあり、後輪荷重が不足した状態で強いトルクがかかると、後輪が路面を蹴ったときに旋回力が強まらず、逆に大回りをはじめてしまいます。

 また、プッシュアンダーと呼ばれる現象は、トラクションをかけたのに旋回力が甘くなってしまう一例で、過度にコーナーを攻めるときによく起こります。
 プッシュアンダーとはトラクションが強すぎることで、せっかく旋回中の舵角がついてバランスしている前輪を揺すり、一瞬アンダーステア状態にしてしまうという現象のことです。
 パワフルなバイクだと前輪をプッシュしがちなので、十分注意しましょう。

 ジムカーナでは、このプッシュアンダーがでると、たいていの場合、気がついたときにはすでに転んでいます。
 前輪のグリップの限界を知りつつ、トラクションをかけながらコーナーを立ち上がる…言葉でいうのは簡単ですが、とっても難しいテクニックです。
posted by nekopunch at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ライディング技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。