2007年07月07日

タイヤのフリクション

 エンジンから発生した駆動力を路面に伝える役割をするのがタイヤです。
 タイヤは、その性質や温度、空気圧、タイヤパターンによって、バイク自体の性能に大きく関わってくる大切なパーツです。

○空気圧と転がり抵抗
 タイヤ主要構成部材のゴムは、弾性と粘性の性質を持ち、粘弾性物質と呼ばれています。
 粘性のある物質に繰り返し変形を加えると、変形エネルギーは回復せず、一部は熱エネルギーになってしまいます。

 タイヤは回転時、繰り返し変形をし続け、エネルギーを損失します。
 これが「ヒステリシスロス」と呼ばれるもので、タイヤ転がり抵抗の大部分を占めています。

 ヒステリシスロス以外に、タイヤと路面間の摩擦によるエネルギーロスや空気抵抗もありますが、その影響は5%程度と考えられています。
 タイヤの転がり抵抗は、繰り返し変形する変形量が大きいと、転がり抵抗も大きくなります。
 空気圧が低いときはこれが大きくなり、逆に空気圧が高いと変形量が小さくなるため、転がり抵抗は減少します。

 燃費に対するタイヤの転がり抵抗の影響は、使用条件でも異なりますが、約10%程度と考えられています。



【デイトナ】メッシュホース付き エアゲージ
 メッシュホース付きエアゲージ(ホース長400mm)です。
 ヘッド部が回転し作業しやすいのが特徴です。
 リリースバルブも付いており、0〜400kPaまで測定できます。
 メーターパネル径はφ50です。


【ブリジストン】レーシングエアゲージ
 ブリジストンのエアゲージです。
 タイヤ空気圧400KPaまで計測でき、精度±10KPa以内の高精度です。
 エアー抜きバルブも標準装備されています。
 メーターパネル径は大型の60mmを採用しています。 


○タイヤパターンと転がり抵抗
 例えば溝の入っていない一般タイヤに、周方向溝を1本追加した場合と2本追加した場合の転がり抵抗を測定すると、1本溝は溝なしタイヤに比べて10数%転がり抵抗が悪くなります。
 また、溝が2本に増えても1本溝とほとんど変わらない転がり抵抗値になります。

 市販用パターンも溝なしタイヤより、転がり抵抗値が10数%悪くなります。
 しかし、色々なパターンで販売されている市販用タイヤの間では、ほとんど転がり抵抗値は変化しないと考えられています。

 ただし、トレッドゴムは、市販用とレース用で大きく異なっており、グリップを重視したレース用スリックタイヤの転がり抵抗は大きくなります。

○ドライとウェット路面での転がり抵抗
 タイヤの転がり抵抗は、ほとんどヒステリシスロスで決まりますが、タイヤと路面間に働く摩擦も関係しています。
 しかし、その寄与率は非常に小さいものです。

 気温と路面温度が同一の場合、ドライ路面とウェット路面の差は、タイヤと路面間の摩擦力の差になります。
 ウェットの方が摩擦力が小さいため、転がり抵抗は小さいが、その差は極めて小さいと考えられています。
 また、気温や路面温度でもタイヤ転がり抵抗は変化し、温度が高いと転がり抵抗は小さくなります。

○コンパウンドの硬さと転がり抵抗
 タイヤの転がり抵抗は、トレッドゴム(コンパウンド)の影響が大きく、粘性の大きなコンパウンドは転がり抵抗が大きくなります。
 柔らかいコンパウンドは、一般的に粘性が大きくなるものが多く、転がり抵抗が大きい傾向にあります。
 しかし、配合技術の発達により柔らかくても粘性の小さいコンパウンドもあるので、一概にコンパウンドの硬柔だけでは転がり抵抗の大小は判断することができません。

○空気圧を低くした場合
 ある実験では、メーカー指定の空気圧2.0kpaから1.5kpaに落とした状態で出力を測定すると、最も大きいところで1.4馬力の低下が見られたとの報告があります。
 しかし、スタート時は低い空気圧の方が加速が良い結果になっていました。
 これは、タイヤの空気圧を落すと、路面との接地面積が多くなり、転がり抵抗を増加させグリップが高まるからなのです。



図解でわかるバイクのチューニング―キミのマシンが生まれ変わる!


 
posted by nekopunch at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | タイヤ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。